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示談金の相場には交通事故に遭った慰謝料の相場も関わってくるのか?

【コラム】示談金示談金の相場

2015.9.15

1|「示談金」と「慰謝料」

普段の生活で交わされる「示談金」や「慰謝料」という言葉は、ほとんどの場合に同じ意味として使われています。

加害者から被害者に支払われるお金はすべて、示談金もしくは慰謝料という言葉で、特に細かい違いは意識せずに使用されているのです。

日常生活の中では、「示談金」と「慰謝料」は、一緒の意味として使用されていますが、交通事故などの示談交渉のときには、「示談金」と「慰謝料」は、意味が違ってきます。

2|示談とは和解契約のこと

示談とは、被害者と加害者が裁判所の手を借りずに、話し合いによって譲り合って紛争を自主的に解決することをいいます。

たとえば、交通事故により怪我をさせられた人が「この苦痛は10万円分だ」と考え、怪我をさせてしまった方は「その苦痛ならせいぜい8万円分だ」というような食い違いが起こった場合、話し合いの末に中をとって9万円を払うことで決着つけるような場合を、示談により解決したといいます。

示談をする際に大事なことは、原則としていったん示談をしてしまうと、後で示談当時と異なる事実関係が分かっても示談のやり直しができないということです。

交通事故のうち、人身事故だけに限ってみるとその95%が示談によって解決しています。

法律では、示談に該当するものは「和解」ということになります。

民法第695条によると「和解は当事者がお互いに譲歩してその間に存在する争いを止めることを約するによりてその効力を生ずる」と規定されています。

要するに示談は民法上の和解契約と同じといえます。

3|示談金の相場を知る

示談金や慰謝料は区別なく使われがちですが、既に書いた通り、法律的には示談のことを「和解」といい、示談を成立させるために、加害者が被害者に支払うお金の全額を「示談金」といいます。

示談金は、交通事故被害者のすべての損害を金額に換算して(=損害賠償金)、被害者と加害者の双方が合意した金額のことです。

被害者の損害の中には、治療費、休業損害、入院雑費、通院交通費などと共に、精神的な苦痛を金銭に換算した「慰謝料」も含まれます。

つまり、慰謝料は示談金(損害賠償金)の一つの項目であるのです。

示談交渉とは、被害者と加害者(の保険会社)が示談金額を決める話し合いのことです。

これは「最後にいくら支払って解決するか」の話し合いなので、被害者のケガが完治してから(または症状固定して後遺障害等級が決まってから)始めますが、治療費などの実費は分かりやすいのに対して、慰謝料は話し合いで決まるあいまいな金額です。

示談金の相場とは慰謝料の相場であり、「慰謝料額の相場を知って交渉すること」が、事故の経験の少ない被害者にとって、とても重要なことなのです。

法律的には口頭(口約束)で交わされたとしても、示談は成立しまうので、後で車の修理代が予想以上に掛かったり、むち打ち症のような後遺症が出たとしても、加害者に請求はできません。

つまり示談金は、損害賠償で加害者から被害者に支払われる賠償金の総額になります。

示談交渉の場合、後遺症の補償など、後で発生する損害も請求できるような条件をつけない限り、示談に合意した時点の金額で賠償金は決定してしまうわけです。

4|慰謝料には相場がある?

慰謝料というのは、被害者が受けた精神的苦痛に対する補償金になります。

個人が受けた精神的苦痛を、具体的なお金に換算するとなると、人によってその金額はバラバラになるような気もしますが、ホントに個人個人が慰謝料を思うがままに請求すると大変なことになってしまうわけです。

交通事故は長年の実例の積み重ねで、「慰謝料の相場」というモノが決まっています。

ですから被害者として法外な慰謝料を請求しても、過去の判例から、妥当と思われる慰謝料しか支払われないでしょう。

ただ、慰謝料の相場は自賠責保険が示す「自賠責基準」と、弁護士などが示す「裁判所(弁護士)基準」では相当な開きがあります。

また、過去の判例から妥当な慰謝料の金額が決まるといっても、年々慰謝料の相場は上がる傾向にあります。

示談交渉では、被害者と加害者が示談金額を決める話し合いを行いますが、加害者といっても、被害者の元に示談交渉にくるのは加害者ではなく、代理人である保険会社の担当者ということがほとんどです。

代理人である保険会社の担当者は、豊富な知識と経験を持った、交通事故解決のプロです。

そのため、保険会社の示談担当者と示談交渉をする場合、慰謝料の相場を知っておかないと、保険会社の言いなりになってしまう可能性があります。

また、示談交渉に合意した金額以上の補償は受けられません。

示談金と慰謝料の違いを理解した上で示談交渉に臨みましょう。

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