【コラム】示談金保険会社との交渉
2015.9.11
1|保険会社との交渉を有利に進める

交通事故に遭ってしまって、加害者との示談交渉を行う時、誰と交渉するのかというと、交渉の相手は大体、加害者側の保険会社となります。
これは、加害者の加入している任意自動車保険に、示談代行の項目があれば、保険会社が代理で交渉を行うものであるからです。
被害者の方が、加害者側に損害賠償の請求をしようとすると、保険会社との交渉に入ります。
保険会社は、数多くの交通事故案件をこなしてきていますので、交渉してもほとんど保険会社に言われるがままとなってしまう事が多くあります。
この時、交渉の代理人として、弁護士等の専門家に依頼する事が重要になります。
2|交渉はいつ行うのか?
損害賠償請求の交渉は、原則として、交通事故で負った症状の治療が終了した時になります。(この事を症状固定と言います。)
損害賠償できる項目は多くありますが、基本、治療する時にかかった費用は、 加害者側の保険会社が病院に直接支払いをします。
治療で入院している等、仕事に行けない状況であれば、休業損害や、入通院時の交通費等は、保険会社が精算をします。
これにより、損害賠償として、症状固定後に、交渉を行い、請求するものは、後遺症に関するものや、未払いの治療費、交通費等があります。
通常、交通事故の過失割合による示談交渉では、お互いの保険会社が話し合いをし、示談を成立させますが、示談金等は納得がいかないケースが多いです。
ここで、弁護士が介入することにより、示談金のほか、慰謝料の請求などを細かく行います。
ただし、自分に過失が無い場合、「自分0:相手10」などのケースは、自分に賠償責任が無いため、任意保険を使用する事が出来ず、弁護士費用特約も使えなくなってしまうので、注意が必要です。
3|交渉に弁護士が介入するとどうなるのか?

損害賠償の金額を決める時の基準として「自賠責保険基準」「任意保険基準」「裁判所基準」があります。
「自賠責保険基準」と「任意保険基準」では、損害賠償の金額が少ないと感じ、被害者側に納得がいかないケースが多いです。
保険会社は上記の「自賠責保険基準」をしようして算定を行っています。
これに対し、「裁判所基準」は、裁判所で採用している算定基準で、弁護士は裁判を起こすと、この基準が認められる事を知っています。
「裁判所基準」では、「自賠責保険基準」等に比べ、損害賠償金額は高額になります。
4|交渉は自分でも出来る?
被害者が単独で保険会社と交渉しようとすると、保険会社は、自賠責保険基準で算定し、納得のいかない金額で示談を成立させようとします。
また、被害者単独であれば、裁判を起こされる可能性が低いため、保険会社は強気で交渉をしてきます。
これに対して、被害者側の代理人として弁護士が介入すると、裁判を起こされる可能性が非常に高くなり、損害賠償額が「裁判所基準」となり、保険会社は高額な賠償金を支払わなくてはなりません。
保険会社は出来る限り、支払額を少なくしたいと考えます。
こうなると、「自賠責保険基準」以上、「裁判所基準」以下の範囲の金額で、早期に解決を求めてきますので、弁護士が介入することにより、損害賠償額は上がりやすくなります。
5|交渉を弁護士に任せるということ
交通事故に遭ってしまい、ただでさえ負担が大きい状態なのに、その状況で保険会社との交渉をするとなると、負担は増すばかりです。
しかも、保険会社は何百という交通事故案件をこなしている、ある意味ではプロです。
弁護士に依頼することで、精神的な負担も減り、損害賠償額も増額しやすくなる事から、ご自身で行うよりは、弁護士に依頼する方が良いです。